食べる

油の種類が多すぎる!正しく使い分ければ必要な油は3種類だけ!

悩んでいる女性の写真

by photo AC

食用油にはいろいろな種類があるんですが、わたしの家では炒め物から
ドレッシングまでほとんどの料理にサラダ油を使っていました。

でも、料理によって多少は使い分けていますが、サラダ油以外に使う油は
お肉を焼くときのバターか、中華料理をするときのごま油くらいでしょうか。

とりあえず、体のためには極力油は減らしたほうがいいと思っていたので、
ヘルシーなイメージのあるサラダ油をメインに使っていたんですね。

ところが、先日、雑誌の特集で油は体を健康に維持するためには絶対に必要で
あることと、体に良い油とそうでない油があることを初めて知ったんです。

なので、いろいろな種類の食用油について詳しく調べてみましたよ。

分かったことは、油によって体内での作用が違うこと、熱に強かったり、
熱に弱くて酸化しやすいことなどいろいろあって、目からうろこが落ちる思い
でした。

なので、今回はいろいろな種類のなかでからだのために本当に必要な食用油は
どんな油なのか、また、その油を上手に使い分けるにはどうすればいいのかを
紹介していきます。。

 

 

台所にそろえておく油は本当は3種類だけ!

えごま油の写真

一番のおススメはえごま油

わたしたちが健康で暮らしていくためにそろえて置きたい油は、実は3種類なんです。

これから、3種類の油についてお伝えしていきますが、記事の中で「オメガ3系の油」
などのあまり聞きなれない言葉が頻繁にでてきます。

でも、このような言葉は食用油のお話をするときにはどうしても避けて通れない
んですね。

なので、このあとの次章で詳しい解説をしていますから、とりあえず安心して読み
すすめてくださいね。

さて、まず一番にそろえたいのはえごま油などのオメガ3系の油ですが、熱に弱い
(酸化しやすい)ので、出来上がった料理にかけて合えたり、ドレッシングとして
使ってください。

えごま油と同じタイプ(オメガ3系)の油には亜麻仁油(あまに油)があるので、
味や香りであなたの好きなものを選んでくださいね。

二番目はごま油などのオメガ6系の油ですが、熱に強い(酸化しにくい)ので
加熱調理に使います。

ごま油と同じタイプ(オメガ6系)の油にはコーン油、大豆油などがあるので、
やはりあなたの好みで選んでいただければオッケーです。

三番目にそろえるのはオリーブオイルなどのオメガ9系の油ですが、このタイプも
熱に強いので、炒め物などに利用できます。

このタイプにはこめ油、べにばな油などがあるので、あなたの好みで選んで
くださいね。

特に、オリーブ油は味や香りがさわやかなので、ドレッシングのように使うことも
できますね。

したがって、台所にそろえて置きたい食用油は以上の3タイプの油を1種類づつ
3本だけで
必要かつ十分なんです。

例えば、あなたの好み(味や香りなど)で次のような組み合わせができますよ。

「えごま油、ごま油、オリーブオイル」
「亜麻仁油、コーン油、べにばな油」
など、いろいろな組み合わせができるんです。

3タイプの油の組み合わせを料理によって使い分けることで、あなたの健康なからだを
維持するために過不足なく摂れることになります。

えごま油は「ごま」ではなく「えごま」というしそ科の植物から作られています。また、東北地方ではしそ油と呼ばれることもあるので、「しそ油」もえごま油ですからおぼえていてくださいね。

 

 

 

油を上手に使い分けるための基礎知識とは?

食用油に関する本の写真

食用油に関する雑誌や本

 

わたしたちが食用にしている油は、じつは「グリセリン」と「脂肪酸」という物質が
結びついたもの
の集まりなんです。

そして、油の中の脂肪酸のタイプによって、油の特性と体内での働きが決まって
きます。

油がからだのなかでどのような働きをするのかは、脂肪酸のタイプによることが、
最近さらにはっきりしてきましたよ。

動物性の油だからからだに悪くて、植物性の油だからからだに良いということでは
ありません。

また、脂肪酸のタイプには2種類あり、油が常温でどんな状態(固体か、液体か)
なのかを決めています。

・常温で固体の油では「飽和脂肪酸」
・常温で液体の油では「不飽和脂肪酸」

さらに、「不飽和脂肪酸」は体内では作れない脂肪酸と体内で作ることができる
脂肪酸の2つのタイプに分けられます。

・体内で作れない不飽和脂肪酸は「オメガ3系」と「オメガ6系
・体内で作ることができる不飽和脂肪酸は「オメガ9系

つまり、食用油の脂肪酸は「飽和脂肪酸」と、「不飽和脂肪酸」である「オメガ3系」、
「オメガ6系」、
「オメガ9系」の4つのタイプに分類できるんですね。

この4つのタイプの脂肪酸をフローチャートにまとめたものが《1図》になります。

脂肪酸の分類図

《1図》食用油(脂肪酸)の分類と食材

ちょっとややこしいかもしれませんね。

でも、このフローチャートを知っていると食用油に関するどんなお話でも
理解することができますよ。。

 

 

3つのタイプの油を一日に食べる量は?

いろいろなパンの写真

パンやスナックにも意外に油は含まれている

3タイプの油をうまく使い分けるのは、慣れるまで面倒かもしれませんね。

そこで、慶応義塾大学の井上浩義先生が「サライ」(特集:油で長生き)の中で
分かりやすく説明されていますので参考にさせていただきました。

油の1日の摂取量は男性なら50g以内女性ならそれより少なめを目安
してください。

まず一番目に、えごま油など(オメガ3系)は1日5g(小さじ1杯)を意識して
摂ってくださいね。

えごま油などのタイプはわたしたちの体内で一部がEPA(エイコサエンタエン酸)、
DHA(ドコサヘキサエン酸)に変化するので血管や脳内に良い影響が期待できます。

EPA、DHAは背青の魚に豊富に含まれていることでよく知られていて、
サプリメントにもなっていますよ。

二番目に、ごま油など(オメガ6系)の一日の摂取量は15g(大さじ1杯)
目安になりますが、このタイプの油はパン、スナック、加工食品などに多く使われて
いるので意識して摂る必要はないようです。

ただ、このタイプ(オメガ6系)の油の成分(リノール酸)は体内で作ることができないので、
外から摂取する必要がありますよ

三番目のオリーブオイルなど(オメガ9系)の成分であるオレイン酸は体内で
作ることができるので、摂取量に関する資料はほとんど無いようです。

オリーブオイルのタイプの油は熱に強く血液中で有害な過酸化脂質になりにくいので、
ごま油などのタイプ(オメガ6系)から置き換えるように使っていくことをお勧めします。

要するに、3タイプの油を合計して50gを目安に摂ることに気をつけて使い分けてくださいね

また、いつも意識していて欲しいことは肉や魚、牛乳や乳製品、パン、クッキーや
チョコレートなどのお菓子、インスタント麺、マヨネーズ、レトルト食品などにも
油が入っていることです。

なので、炒め物のときはパンではなく御飯にするとか、野菜はおひたしにするなど
メニューやレシピで油の摂り過ぎに気をつけてくださいね。

つまり、料理のときだけではなく、日常生活の中でも油の量を意識する習慣をつける
ことも油を上手に摂るコツなんです。

 

 

油は体に良くないというイメージがあるのはなぜ?

1958年にアメリカのアンセル・キース博士が「油の摂取量の多さが心臓病死に
関係している
」という研究結果を発表したのがきっかけでした。

その研究データがあまりにもきれいだったので、今まで数十年の間だれも
疑いませんでした。

ところが、博士が発表してからは、油を摂る量が減った代わりに炭水化物などを
多く摂ることで糖尿病が激増してきたんですね。

そのため、最近になって油は本当に悪いものなのかどうかが疑われ始め、研究が
進められた結果、油には良い油と悪い油があることが分かってたんです。

そして、健康な体を維持するためには、良い油を上手に使い分けることが
今の新常識になっているというわけです。。

 

 

油は体に必要な三大栄養素の1つ!

食用油の写真

油は体に不可欠の栄養素

油(脂質)はたんぱく質、炭水化物とともに若々しいからだを維持するために
必要な三大栄養素の1つなんです。

今でもダイエットのために油をできるだけ減らしたほうが良いと言われますが
三大栄養素の1つ(脂質)を抜くことはとても危険です。

脂質は細胞を構成している材料の1つであるのと、脳内の神経伝達に関わって
いるために、不足すると脳ばかりではなくからだの正常な機能に
支障をきたします。

また、脂肪にはエネルギー源としての役割があることはよく知られていますね。

つまり、脂質はからだを形づくり、体を動かすために無くてはならない栄養素
なんです。

ただ、わたしたちの活動量が少なければ油は脂肪として体内に蓄積されるので、
適量の良い油を上手に使い分けることが大切になってきます。

 

 

悪い油ってどんな油?

マーガリンの写真

普通、悪い油とは油の種類にかかわらず、古くなったり、
保存状態が悪くて
酸化してしまった油のことを指します。

なぜなら、酸化した油は過酸化脂質となって血管壁に付着して血管を狭くしたり、
動脈硬化の原因にもなったりするからです。

また、人工的に加工された油でも同じことが起きるんです。

それは人工的な油に含まれていることが多いトランス脂肪酸に
よって起こるんですね。

「世界保健機構(WHO)は、トランス脂肪酸を2023年までに根絶させることを
目指している」の報告があるほどです。
(トランス脂肪酸:Wikipedia)

その理由は、トランス脂肪酸が心臓疾患・アレルギーを中心とする様々な
健康被害を引き起こす可能性が指摘されているからです。

そして、いろいろな種類の油の中でトランス脂肪酸を含んだ食用油は
ショートニングとマーガリンなんです。

 

ショートニング

主として植物油を原料としたクリーム状の食用油脂です。

マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものと
考えてよく、処理の過程でトランス脂肪酸が生成されます。

そして、ショートニングはパンや焼き菓子の製造などにバターや
ラードの代用として利用されているんです。
(ショートニング:Wikipedia)

 

マーガリン

植物性油脂(もしくは動物性油脂)を原料とし、バターに似せて作った
加工食品なのはご存知ですね。

ただし、2018年ころからトランス脂肪酸を生成しない製造方法で作られた
マーガリンも販売されています。

しかし、わたしたちが摂取する源はマーガリンからではなく、菓子類、
パン類、油脂類の方が大きな割合を占めており、マーガリンだけに
注意するのは的を射ていないとの指摘もありますよ。
(マーガリン:Wikipedia)

 

 

まとめ

油はわたしたちが若々しく健康でいるために絶対に欠かすこが
できない栄養素であることは疑いのない事実なんですね。

そして、たくさんある種類の油の中から3種類の油をこのように
適量摂ることが今や新常識になっています。

①まず一番に摂りたいのはえごま油、亜麻仁油などの「オメガ3系」の油です。

オメガ3系の油は体内でEPA、DHA(青魚に豊富に含まれる)に変換され、
血管をしなやかに強くする働きがあり、特に脳に良い影響がある点が
注目されています。

ただ、熱に弱く、酸化しやすいのが難点です。

②二番目に摂りたいのはごま油、コーン油、大豆油などの「オメガ6系」の油です。

オメガ6系の油は体内で作ることができないので、外から摂取する
必要がありますが、パンや加工食品、スナック菓子などに使われることも
多いので摂り過ぎに気を付けてくださいね。

③三番目にはオリーブオイル、こめ油、べにばな油などの「オメガ9系」の油です。

オメガ9系の油は熱に強く酸化しにくいので、ごま油などのオメガ6系から
置き換えて使っていくのがお勧めです。

つまり、いろいろな種類の油があるんですが、オメガ3系(えごま油など)の油を
メインに使って、オメガ6系(ごま油など)とオメガ9系(オリーブオイルなど)を
適宜使い、合わせて3つのタイプの油を使い分けてくださいね。

要するに、台所には3つの種類のビンを並べて置いて、上手に使い分けることで、
からだに必要な脂質が過不足なく摂れるというわけなんです。。

 

【参考資料】
・日本人の食事摂取基準(2020年版):厚労省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
各論 1-3 脂質(詳しく解説されている)

・血管がぐんぐん若返る えごま油の健康レシピ (タツミムック)
佐田 政隆著  辰巳出版

・一生若くいられる 油のとり方 最新ガイド (日経BPムック
日経ヘルス別冊)

・サライ「特集:油で長生き」 2016年1月号 (小学館)

 

 

関連する記事

開封済みの食用油が賞味期限切れだけど、まだ使える!?

-食べる

© 2024 よし坊のいきなくらし