粉わさびの成分とすりおろした本わさびの成分は同じなんでしょうか、
それとも、まったく違う成分なのでしょうか。。
きっと、今の科学技術をもってすれば、粉わさびを人工的に化学合成で
作ることくらいは簡単なことかもしれませんね。
でも、粉わさびを水で練ったときのツ~ンと鼻に抜ける辛みのある、あの
香りはすりおろした本わさびとそれほど違わないですよね。
今回は、粉わさびと本わさびの成分は同じなのか、それとも違うのか、
詳しくお伝えしていきますね。
また、最近では、スーパーに並んでいるわさびはほとんどがチューブ入り
練りわさびなので、その成分についてもお知らせしますね。
粉わさびの成分は本わさびとは違うの?
実は、粉わさびは化学合成されたものではなく、ホースラディッシュ
(西洋わさび)という植物から作られているんです。
粉わさびだけではなく、チューブ入り練りわさびも同じホースラディッシュ
から作られていますが、練りわさびには少量の本わさびを加えているものも
あるようです。
粉わさび、練りわさび、本わさびの成分は?
粉わさび、練りわさび、本わさびを比較した成分表が
つぎの表です。(100gあたり)
一番右側が本わさびの成分です。
栄養素 | 粉わさび | 練りわさび (チューブ入り) |
本わさび (根茎) |
---|---|---|---|
エネルギー /Kcal | 384 | 265 | 88 |
タンパク質 /g | 16.5 | 3.3 | 5.6 |
コレステロール /mg | 0 | 0 | 0 |
食物繊維水溶性 /g | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
食物繊維不溶性 /g | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
脂質 /g | 4.4 | 10.3 | 0.2 |
炭水化物 /g | 69.7 | 39.8 | 18.4 |
ナトリウム /mg | 30 | 2400 | 24 |
カリウム /mg | 1,200 | 280 | 500 |
カルシウム /mg | 320 | 62 | 100 |
マグネシウム /mg | 210 | 39 | 46 |
リン /mg | 340 | 85 | 79 |
鉄 /mg | 9.3 | 2.0 | 0.8 |
亜鉛 /mg | 4.4 | 0.8 | 0.7 |
銅 /mg | 0.45 | 0.11 | 0.03 |
マンガン /mg | 1.11 | 0.23 | 0.14 |
ビタミンD /μg | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
ビタミンK /μg | 0 | 0 | 49 |
ビタミンB1 /mg | 0.55 | 0.11 | 0.06 |
ビタミンB2 /mg | 0.3 | 0.07 | 0.15 |
ナイアシン /mg | 2.5 | 0.7 | 0.6 |
ビタミンB6 /mg | 0.0 | 0.0 | 0.32 |
ビタミンB12 /mg | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
葉酸 /μg | 0 | 0 | 50 |
パントテン酸 /mg | 0.0 | 0 | 0.2 |
ビタミンC /mg | 0 | 0 | 75 |
レチノール当量 /μg | 2 | 1 | 1 |
βカロテン当量 /μg | 20 | 15 | 7 |
食塩相当量 /g | 0.1 | 6.1 | 0.1 |
栄養素 | 粉わさび | 練りわさび (チューブ入り) |
本わさび (根茎) |
出典:日本食品標準成分表(七訂)文部科学省
粉わさび、練りわさび、本わさびの特徴は?
粉末、練り、根っこ、と見た目の違う3つのわさびですが、食卓に
上がるときには、見た目も香りもそっくりですよね。
でも、成分表からそれぞれの成分を比べてみると確かに違いが見えて
きます。
それでは、それぞれの栄養成分について、明らかな違いをお伝えして
いきますね。
粉わさび
粉わさびに含まれる成分では、ミネラルがきわだって多いのが
はっきり分かります。
多いミネラルはカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などです。
また、ビタミンは特に多く含まれているとは言えません。
本わさび(根茎)
本わさびの成分ではビタミンC、ビタミンK、葉酸などのビタミン類の
多いことが分かります。
粉わさびに多いミネラル類は本わさびにはあまり含まれていないので、
ビタミン類は本わさびに多く、ミネラル類は粉わさびに多いということが
言えます。
練りわさび(チューブ入り)
練りわさびにはミネラルもビタミンも含まれてはいますが、
特に多くはありません。
ただ、特徴的なのは、脂質とナトリウムの多さがきわだって
います。
このことは食塩相当量(6.1g)の多さに現れていますね。
練りわさびだけに塩分が多い理由がちょっと気になったので、
調べてみましたが明確な答えを知ることはできませんでした。
塩分の特性から予測してみると味と香りを引き立たせる意味が
ありそうです。
また、チューブ入りであることと関係していて、保存性を
高めているのかもしれませんね。
わさびの成分のシニグリンとは?
わさびには栄養成分ではありませんが、辛みの元になる
シニグリンという成分が含まれていて、このシニグリンには
防腐、殺菌作用と食欲増進作用があります。
なので、お寿司、お刺身、冷たいお蕎麦などにわさびが付いている
のは、香りと味のほかに鮮度を保持する意味があるんですね。
このような防腐、殺菌作用、食欲増進作用は粉わさびでも、すりおろした
本わさびと少しも違いませんから安心してくださいね。。
このシニグリンはわさびの他にもからしにも含まれていますよ。
ホースラディッシュ(西洋わさび)とは?
一番最初に粉わさびとチューブ入りの練りわさびの原料は
ホースラディシュであることをお話しましたが、ホースラディッシュとは
いったいなんなのでしょうか?
ホースラディッシュは西洋わさびと言われていて、本わさびに近い香りが
あり、辛さは本わさびの1.5倍くらい辛いんですが、粘りが少なく色は白色
なんですね。
このホースラディシュはアメリカなどではローストビーフの薬味として
欠かせないものなんです。
実は、粉わさびはこのホースラディッシュの根を乾燥させて粉末にしたもの
なんです。
また、粉わさびやチューブ入り練りわさびにはわさびの香りと粘りや色を
出すために、本わさびを加えて調整しているそうなんです。
ちなみに、ホースラディシュの値段は本わさびの1/5程度なので、
やはり本わさびは高級品なんですね。
わさびアレルギーについて
さまざまな食材がアレルギーを起こす原因になりますが、わさびも
例外ではないんですね。
食べてから30分くらいで頭痛、発熱、悪寒、めまいなどの症状が
出てくるようなら、アレルギーを疑ってください。
ひどい方ですと食べなくても、わさびを側ですっているだけで
頭痛がしてくるといいますよ。
また、ある方はわさびだけではなく、わさびが属するアブラナ科の
植物すべてがアレルギーの原因になるようです。
粉わさびの原材料のホースラディシュもアブラナ科なので、
アレルギーに関しては本わさびと違わないので、気を付けて
くださいね。
まとめ
粉わさびにはミネラル類が多く、すりおろした本わさびには
ビタミン類が比較的多く含まれています。
粉わさび、本わさび、練りわさび(チューブ入り)を比べてみると
成分の多少はあるものの、食卓で使う量はそれほど多くないので、
あまり気にする必要はなさそうです。
ただ、チューブ入りの練りわさびの塩分量が多いのが気になります。
100gあたり6.1gの塩分相当量というのは、塩分を気にする方には
多いと言わざるをえません。
スーパーに行ってみるとチューブ入りの練りわさびが一番多く
並んでいますよね。
使い易さと値段を考えてみるとどうしても、練りわさびを選んで
しまいます。
今回は粉わさびと本わさびの成分の違いを紹介するのがメインの
テーマだったのですが、練りわさびの意外な一面を知ることに
なりました。
いずれにしろ、わたしたちの暮らしに無くてはならない調味料
ですから、あなたの好みで上手に使ってくださいね。。