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食用油の種類が多すぎる!キッチンに揃えておきたい油は3種類

悩んでいる女性の写真

by photo AC

食用油の種類が多すぎて、どの油を選んだらいいのか迷っているのなら、きっと、
この記事が悩みを解消する糸口になるはずです。

結論をいってしまうと、3種類の食用油を揃えておくことで、からだに必要な油が
摂取できるうえに、ほとんどの料理に対応できるんです。

食事から摂る脂質(油)は、多すぎても少なすぎても健康に悪影響を及ぼす
可能性があります。

なので、健康だけではなく、料理のバラエティさも考慮して必要な油を必要な量だけ
使って、あなたの豊かな暮らしに生かしてくださいね。

この記事では、いろいろな食用油の中から3種類を選んだ理由を解説しているので、
あなたなりにアレンジすることもできるようになりますよ。

 

 

キッチンに揃えておきたい油は3種類

 

3本の油の瓶の写真

by photo AC

 

一般的な家庭で健康面と料理のバラエティさを考慮したとき、基本的に
3種類の食用油を揃えておけば足ります。

また、3種類には含めていませんが、特に健康効果を重視するときに注目される
荏胡麻油(えごま油)の使い方にも言及していますから参考にしてくださいね。

 

キッチンに揃えておきたい3種類の食用油

健康効果だけではなく、料理のバラエティーさも考慮して、以下の3種類の
食用油をキッチンに揃えておくことをおすすめします。

1、オリーブオイル

2、キャノーラ油

3、ごま油

これらの油はスーパーなどでも比較的手に入りやすいですね。

では、この3種類の油を選んだ理由を料理での使い方と健康面について、
それぞれお伝えしていきます。

なお、食用油の特性は、含まれる『脂肪酸』の種類によって決まるので、
脂肪酸の組成も記載しています。

 

脂肪酸とは

ざっくりと説明すると、食用油の成分の約95%が脂肪酸ですから、その食用油の特性は脂肪酸の種類によってほぼ決まります。

 

 

 

1、オリーブオイル

 

オリーブオイルが入った瓶の写真

by photo AC

 

まず、オリーブオイルですが、芳醇な香りと味が特徴的で、健康面では
悪玉コレステロールを減少させる働きに期待が持てます。

また、高温調理に使っても酸化しにくいので、料理の幅が広がります。

 

食用油の酸化とは

一般的な食品で劣化といえば微生物汚染による腐敗ですが、油は腐敗するのではなく酸化という劣化を起します。油が酸化すると過酸化脂質が生じて栄養価値が下がり、極端な場合は毒性を示します。

 

食用油が酸化する要因は

油の酸化を促進させる主な要因は「酸素」「光」「温度」なので、加熱調理で使うときは高温でも酸化しにくい油を選ぶ必要があります。

 

 

料理での使い方:

・低温調理やサラダドレッシング

・軽い炒め物

・ソースのベース

オリーブにはさまざまな品種があり、また、地域の気候などによっても風味や香りに
大きな違いがあるので、あなたの好みで料理のバラエティさが広がります。

最も高品質なエクストラバージンオリーブオイルは生で使用する場合の風味が豊かで、
サラダやパンにかけるのに最適です。

 

からだへの作用:

主成分のオメガ9脂肪酸(オレイン酸)は善玉コレステロールを減らさずに
悪玉コレステロールを減少させる作用があります。

また、オメガ9脂肪酸は体内でも作られますが、エネルギーになりやすく、
体内にとどまらないで使われやすい特性があります。

なお、オリーブオイルには抗酸化物質(ポリフェノール)も含まれている
ので、炎症を抑える効果にも期待が持てますよ。

 

オリーブオイルの脂肪酸の組成:

・飽和脂肪酸:約10-15%

・一価不飽和脂肪酸 オメガ9脂肪酸(オレイン酸):約70-80%

・多価不飽和脂肪酸 オメガ6脂肪酸(リノール酸):約10%

 

それぞれの脂肪酸については次の章で詳しくお知らせしますから、今は
オリーブオイルの主成分はオメガ9脂肪酸(オレイン酸)であることを
憶えていてくださいね。

つまり、オリーブオイルに含まれる脂肪酸の70~80%がオレイン酸
なので、オリーブオイルの主成分はオレイン酸ということです。

なので、オリーブオイルはオメガ9脂肪酸(オレイン酸)の特性を
強く示すことになるわけです。

 

オリーブオイルの補足事項:

エクストラバージンオリーブオイルの瓶製品の写真

エクストラバージンオリーブオイル

オリーブオイルは品質は、高品質なものから順に4つのグレードに
分けられています。

①エクストラバージンオリーブオイル、

②バージンオリーブオイル、

③オーディナリーバージンオリーブオイル、

④ランパンテバージンオリーブオイル

ただし、④のランパンテバージンオリーブオイルは工業用途や
精製オリーブオイルとなるため、そのままでは食用になりません。

 

 

2、キャノーラ油

 

なたねの花とキャノーラ油の写真

by photo AC

 

なたね油の原料であるなたねを「キャノーラ種」に品種改良したものが
キャノーラ油です。

旧来のなたね油の栄養面が改善されています。

 

料理での使い方:

・炒め物

・焼き物

・揚げ物

・ベーキング

高温での安定性が高く、酸化しにくいので高温調理に適しています。

また、淡白な風味のため食材の味を邪魔することがないので、
いろいろな料理に使えます。

 

からだへの作用:

オメガ9脂肪酸(オレイン酸)が主成分で、オリーブオイルと同様に
悪玉コレステロールを減少させる作用があります。

さらに、キャノーラ油にはオメガ-3脂肪酸(α-リノレン酸)も含まれているので、
血管をしなやかに強くすることが期待できます。

オメガ3脂肪酸は、体内で青魚に豊富に含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)や
ドコサヘキサエン酸(DHA)に変換され、脳内の血管をよい状態にすることが、今、
注目されていますよ。

 

キャノーラ油の脂肪酸の組成:

・飽和脂肪酸:約7%

・一価不飽和脂肪酸 オメガ9脂肪酸(オレイン酸):約60%

・多価不飽和脂肪酸 オメガ6脂肪酸(リノール酸):約20%

・多価不飽和脂肪酸 オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸):約10%

 

キャノーラ油の補足事項:

比較的低価格で手に入りやすく、日本でもっとも消費量の多い食用油です。

 

 

3、ごま油

 

餃子にごま油をかけている写真

by photo AC

 

原料であるごまを、あらかじめ焙煎することで、ごま油特有の風味と香りが
生み出されます。

また、焙煎しないタイプもあります。

 

料理での使い方:

・揚げ物

・炒め物

・ドレッシング

・中華料理の風味付け

独特の風味を生かして天ぷらや中華料理をはじめとして幅広く使うことができます。

また、酸化しにくく加熱に強いため、加熱調理での油の劣化は穏やかです。

なお、少量で効果的に風味付けができることから、調味料としても優れています。

 

からだへの作用:

ごま油は非常に高い酸化安定性を示しますが、これは他の油にはみられない
リグナン類(セサモール、セサミンなど)を含有することに起因していると
いわれています。

このリグナン類には、からだの適量を超えた余分な活性酸素を取り除いてくれる
働きがあります。

また、オメガ9脂肪酸(オレイン酸)も多く含まれていて、悪玉コレステロール値を
下げてくれることも期待できます。

ただし、ごま油はオメガ6脂肪酸(リノール酸)を多く含んでいるので、
気を付けて欲しいことがあるんです。

オメガ6系の油はパン、お菓子、加工食品などに使われることが多いので、
無意識のうちに摂り過ぎていることが考えられます。

なので、オメガ6脂肪酸を比較的多く含んでいるごま油ばかりを多量に使うことは
控えてくださいね。

なぜなら、リノール酸を摂りすぎると体内で炎症を引き起こす物質の合成を
促進させる可能性があるからです。

この後でお知らせしますが、オメガ6脂肪酸のデメリットはオメガ3脂肪酸との
摂取バランスによって軽減できるんです。

 

ごま油の脂肪酸の組成:

・飽和脂肪酸:約14%

・一価不飽和脂肪酸 オメガ9脂肪酸(オレイン酸):約40%

・多価不飽和脂肪酸 オメガ6脂肪酸(リノール酸):約46%

 

 

3種類以外の健康効果の高い荏胡麻(えごま)油

 

瓶入りのえごま油と小皿に入ったえごま油の写真

 

荏胡麻(えごま)油は、特にα-リノレン酸というオメガ3脂肪酸を豊富に含んで
います。

α-リノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に
変換され、心血管の健康や脳機能の向上に役立つことが注目されています。

しかし、料理での使いやすさや汎用性を考慮すると、荏胡麻油を3種類に含めるか
どうかは慎重に検討する必要があるんです。

つまり、酸化しやすい油のためデリケートな取り扱いが必要なんですね。

では、以下に、取扱いの注意点とともに、料理での使い方とからだへの作用を
お伝えします。

 

料理での使い方:

・和風の調理法に向いており、煮物や冷やっこ、お浸しに加えるのが一般的です。

味噌汁や納豆に少量加えることで風味が引き立ちます。

 

取り扱い上の注意点:

・荏胡麻油は熱に弱く、加熱すると健康効果が失われるだけでなく、有害な化合物が
生成される可能性があるため、どうしても生での使用が強制されます。

・酸化しやすいため、光を通さない容器に入れ、冷蔵庫での保存が必要なうえ、
開封後は早めに使い切る必要があります。

 

からだへの作用:

心血管疾患のリスク軽減に役立つとされる。

関節炎やその他の炎症性疾患に対する予防効果がある。

アルツハイマー型認知症の予防に役立つ可能性に関心が集まっている。

 

荏胡麻油の脂肪酸の組成:

・飽和脂肪酸:約7%

・一価不飽和脂肪酸(オレイン酸):約14%

・多価不飽和脂肪酸:
 ・オメガ-6脂肪酸(リノール酸):約15%

 オメガ-3脂肪酸(α-リノレン酸):約64%

 

以上の通り、健康効果は確かに高いのですが、酸化しやすく炒め物や
揚げ物、焼き物などの加熱調理には向いていません。

また、保存方法や保存期間に制限があるため、揃えておきたい3種類に
含めるにはためらいがあります。

しかし、オメガ-6脂肪酸(リノール酸)を含む油を無意識に摂りすぎている現代では、
健康面でのオメガ-3脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取が重要視されてきています。

(摂取バランスについては後の章で詳しくお伝えします)

なので、健康面を考えると、とても魅力的な油なので、できれば3種類以外の油として、
和え物、おひたし、納豆やみそ汁などで使うことを強くおすすめします。

 

荏胡麻油の原料:

えごまと小皿に注がれたえごま油の写真

by photo AC

荏胡麻油は「ごま」ではなく「えごま」というしそ科の植物から作られています。

また、東北地方ではしそ油と呼ばれることもあるので、「しそ油」も荏胡麻油です。

 

 

食用油を使いこなすための基礎知識

 

いろいろな食用油(瓶やペットボトル)を描いたイラスト

by illusto AC

食用油を使いこなすために必要な基礎知識をお伝えします。

詳しい理屈は間違いのない程度に、ざっくりと解説していきますね。

この記事以外からの情報を理解するときにも、きっと、役に立つはずですよ。

 

「油脂」「脂質」「油」「脂肪」とは

油のことをいろいろな言い方をするのですが、普通、以下のように理解して
いてください。

一般に油と呼ばれているものには、なたね油、大豆油などの植物系のもの、
ラード、バターなどの動物系のもの、そしてガソリン、灯油などの鉱物系のもの
があるんですね。

しかし、鉱物系の油は食用には適さないばかりか、有害である場合がほとんどです。

なので、わたしたちが食用として栄養源にできる植物系・動物系の油を「油脂」
呼んで、鉱物系の油と区別しています。

また、油脂のなかでも常温で液体のものを「油」、常温で固体のものを「脂肪」
呼んでいます。

なお、動物・植物系のすべてのあぶらを総称して「脂質」と呼びます。

なので、食用油は「油脂」でもあり、「脂質」でもあるわけです。

 

4つに分類される食用油

油脂は基本的に「グリセリン」と「脂肪酸」で構成されていて、約95%を
脂肪酸が占めています。

また、脂肪酸は下記の4つに分類されるので、食用油も主成分の脂肪酸に
ならって4種類に分類されます。

なので、食用油は主成分の脂肪酸にならって「オメガ3系の油」とか
「オメガ6系の油」などと呼ばれて分類されることもあります。

(1) 飽和脂肪酸 (ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など)

(2) 一価不飽和脂肪酸 オメガ9脂肪酸(オレイン酸)

(3) 多価不飽和脂肪酸 オメガ6脂肪酸(リノール酸)

(4) 多価不飽和脂肪酸 オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)

それぞれの関係が一目でわかるように、図にしたものが下の分類図です。

 

脂肪酸を分類分けした系統図

 

油のことで疑問に思った時などに見ていただければ、きっと、疑問が
解けるのではないでしょうか。

くり返しますが、食用油の特性は含まれる主成分の脂肪酸によって決まるので、
主成分の脂肪酸が同じならば、異なる食用油でも特性は類似します。

なので、このことを知っていれば、あなたの好みで3種類の食用油を選ぶことが
できます。

では、それぞれの脂肪酸の特性とからだへの作用を紹介しますね。

 

(1)飽和脂肪酸 (ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など)

 

容器に入ったバターの写真

by photo AC

飽和脂肪酸は肉類、バター、ラードなどに多く含まれています。

飽和脂肪酸には、異なる脂肪酸がいくつも含まれていて、それぞれの特性が
異なっています。

つまり、ラウリン酸やパルミチン酸などのほかにも、いろいろな種類が
含まれていて、からだへの作用が良いものや悪いものなどさまざまなんですね。

なので、それぞれの特性については省略しますが、肉類、バターなどは
タンパク質やミネラルを含む重要なエネルギー源ですから、きちんと摂る
ことが大切です。

ただし、活動量が少なければ脂肪として体内に蓄積されてしまうので、
摂りすぎに注意してくださいね。

 

(2) 一価不飽和脂肪酸 オメガ9脂肪酸(オレイン酸)

体内でも作られるため摂りすぎが気になりますが、加熱調理にも使えるので、
オメガ6脂肪酸の油の代わりに使っていくことをおすすめします。

なぜなら、再三お伝えしているようにオメガ6系の油はパン、お菓子、加工食品などに
使われることが多いので無意識のうちに摂り過ぎているからです。

オメガ9脂肪酸はオリーブオイル、こめ油、紅花(べにばな)油などのほかに
ナッツ類にも多く含まれています。

 

特性:

不飽和脂肪酸のなかではもっとも酸化しにくい。

つまり、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸のなかでは、
オメガ9脂肪酸がもっとも加熱調理に向いています。

 

からだへの作用:

酸化しにくいため血液中で有害な過酸化脂質になりにくい。

・悪玉コレステロールを減少させて、総コレステロール値を下げる。

・体内に長くとどまらないでエネルギーとして使われやすい。

 

 

(3) 多価不飽和脂肪酸 オメガ6脂肪酸(リノール酸)

 

パンやスナック菓子などをお皿に盛り合わせた写真

by photo AC

 

オメガ6脂肪酸は体内で作ることができないので、オメガ3脂肪酸とともに
必須脂肪酸といわれていて外から摂取する必要があります。

しかし、オメガ6脂肪酸の油はパン、スナック菓子、加工食品やファーストフードなどに
使われることが多いので、無意識に摂りすぎているのが現実のようです。

ごま油、大豆油、コーン油、ひまわり油などに多く含まれています。

 

からだへの作用:

・不飽和脂肪酸に共通しているように、悪玉コレステロールを減少させる働き
ある。

過剰に摂取すると炎症性の物質が生成されるために、慢性的な炎症を
引き起こす可能性がある。

 

 

(4) 多価不飽和脂肪酸 オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)

 

イワシのオイル漬けの写真

by photo AC

 

オメガ3脂肪酸も体内で作ることができないので、オメガ6脂肪酸とともに
必須脂肪酸といわれています。

α-リノレン酸は体内でEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)
変わります。

このEPA、DHAは青背の魚に多く含まれていて、血管をしなやかにする作用があり、
特に脳内の血管の状態を良くすることが注目されています。

亜麻仁(あまに)油、荏胡麻(えごま)油、サチャインチオイルなどに多く含まれて
います。

 

特性:

オメガ6脂肪酸の摂りすぎによる健康リスクを緩和させるために、
オメガ3脂肪酸は重要な役割を果たします。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランスは重要なポイントなので、
次章で詳しくお伝えします。

 

からだへの作用:

炎症をおさえる働きがある。

・細胞膜の柔軟性を保って細胞の健康に役立つ

 

 

脂肪酸に関する専門用語の説明

「飽和」、「不飽和」、「オメガ」、「一価」、「多価」などの言葉が
たびたび出てきましたが、それぞれの意味をざっくりとお伝えしますね。

油脂の脂肪酸の化学構造は下記のように表記されます。

R1COOH  R2COOH  R3COOH ・・・脂肪酸の種類はRの数だけあります。

Rをアルキル基、COOHをカルボキシル基と呼びます。

 

・「飽和」と「不飽和」

脂肪酸の化学構造で、アルキル基のなかに二重結合があると化学的に
不安定なので、不安定という意味を「不飽和」と表現しています。

つまり、二重結合部は酸素と結合しやすいため、不飽和脂肪酸は
不安定で酸化しやすいんですね。

また、化学構造に二重結合がないと化学的に安定で、その意味を
「飽和」と表現しています。

なので、二重結合部を持たない飽和脂肪酸は安定していて酸化しにくい
というわけです。

 

・「一価」と「多価」

不飽和脂肪酸のなかで、化学構造に1つの二重結合部がある脂肪酸を
「一価不飽和脂肪酸」と呼びます。

そして、二重結合部が2つ以上ある脂肪酸を「多価不飽和脂肪酸」と
呼んでいますよ。

 

・「オメガ(ω)」とは

不飽和脂肪酸の化学構造については、二重結合部の位置が異なる脂肪酸が
いくつか存在します。

そこで、オメガ3、オメガ6、オメガ9と表示して、二重結合部の位置を
示しています。

 

 

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランス

 

オメガ3脂肪酸の摂取量はオメガ6脂肪酸と同じか1/4程度であることが
理想とされています。
(日本人の食事摂取基準(脂質に関する部分):厚労省より)

しかし、実際には1/15以下になっているのが現実のようなんです。

その理由の一つは、オメガ6脂肪酸の油が加工食品やファーストフードに
多く使われていることです。

もう一つは、最近わたしたちは魚を食べることが少なくなったことなんです。

なぜなら、オメガ3脂肪酸は体内でEPAやDHAに変換されるのですが、
実は、EPAやDHAは青背の魚に豊富に含まれているんですね。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸との摂取バランスの不均衡が長期的に
続くと慢性的な炎症状態やアレルギー、自己免疫疾患などの健康リスクを
高めるといわれています。

こうした健康リスクは、摂取バランスを保つことで軽減できる
考えられているんです。

 

(1)オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸摂取の目安量

下表を目安にオメガ3脂肪酸を摂ることをおすすめします。

つまり、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取量を下表の目安量に
従うことが適正な摂取バランスになります。

下表は「日本人の食事摂取基準(脂質に関する部分)」(厚労省)の数値を
抜粋して作成したものです。

      オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸摂取の目安量(1日当たり)

性別 年齢 オメガ6脂肪酸
(ごま油、大豆油、コーン油、
ひまわり油など)
オメガ3脂肪酸
(あまに油、えごま油、
サチャインチオイルなど)
男性 18~28 歳 11g 2.0g
30~49 歳 10g
50~64 歳 2.2g
65~74 歳 9g
74 歳以上 8g 2.1g
女性 18~28 歳 8g 妊婦 9g
授乳婦 10g
1.6g 妊婦 1.6g
授乳婦 1.8g
30~49 歳
50~64 歳 1.9g
65~74 歳 2.0g
74 歳以上 7g 1.8g

 

 

(2)オメガ3脂肪酸の摂り方

 

瓶入りのえごま油と小皿に入ったえごま油の写真

 

オメガ3脂肪酸を主成分とする食用油の代表ともいえる荏胡麻油は
とても酸化しやすいうえ、保存期間が短いため常備しておくことを
無理にはおすすめできません。

しかし、健康効果が非常に高いので、3種類の油とは別にして、上表を
目標にできるだけ摂取する機会を作ってください。

なお、荏胡麻油と同じようにオメガ3脂肪酸を多く含む油に「亜麻仁油」や
「サチャインチオイル」がありますから、風味が異なるそれぞれ油を
食べくらべてみるのも楽しいですね。

サチャインチオイルはあまり一般的ではないかもしれませんが、短時間であれば
加熱調理が可能なので試してみてはいかがでしょう。

サチャインチオイルはネット通販で買うことができますよ。

 

風味と香り:

亜麻仁(あまに)油はややナッツのような風味がありますが、比較的マイルドで、
サラダやスムージー、ヨーグルトなどにそのままかけて使うのが一般的です。

荏胡麻(えごま)油は亜麻仁油に比べてナッツのような風味や香りが弱めなので、
和風の調理法に向いています。

サチャインチオイルはやや青臭い香りの個性ある風味。

 

 

食用油の一日の摂取量

 

キャノーラ油を小さじに注いでいるところの写真

by photo AC

 

脂質の一日の摂取量は成人の男女で総摂取カロリーの20%以上30%未満
されています。(日本人の食事摂取基準(2020年版)厚労省より)

つまり、一日、2200kcalが必要な人では、440~660kcalの脂質を摂ることが
推奨されています。

すべての油のカロリーは1gが約9kcalですから、一日に脂質を約50g~60g摂る
計算になります。

ここで、注意しなければならないのは、家庭での調理に食用油を50g摂ることを
すすめているわけではありませんよ。

肉、魚、牛乳や乳製品、ナッツ類、パン、クッキーやチョコレートなどの
菓子類、インスタント麺、マヨネーズなどにも油が入っていることを
忘れないでくださいね。

つまり、加工食品や肉類を好んで食べているか、それとも野菜を中心にした食事を
しているかで調理に使える油の量が違ってくるんです。

わたしの場合ですが、日ごろから肉や加工食品を食べることが多いので、
家庭以外で摂っている油の量を意識してみると、30gくらいだと推測できました。

なので、自宅で調理に使う食用油は残りの20gくらいにしています。

ちなみに、小さじ一杯が5g、大さじ一杯が15gですから使うときの参考にして
くださいね。

 

 

まとめ

 

キッチンに次の3種類の油を揃えておけば、いろいろな料理に対応でき、
健康的な食生活をサポートすることができます。

 

1. オリーブオイル:

風味が豊かで、多用途に使いやすい。

健康面では、一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)と抗酸化物質が豊富で、
悪玉コレステロールを減少させ、炎症を抑える効果も期待が持てる。

 

2. キャノーラ油:

高温調理に適しており、ほとんど風味がないためさまざまな料理に使える。

健康面では、オメガ-3脂肪酸とオメガ6脂肪酸がバランスよく含まれ、
血管をしなやかに強くすることが期待できる。

 

3. ごま油:

特有の風味が料理に深みを与え、また、アジア・中華料理には不可欠。

健康面では、悪玉コレステロールを減少させ、余分な活性酸素を
取り除いてくれる働きがある。

 

なお、荏胡麻(えごま)油も健康効果を高めるために取り入れること
をおすすめしますが、取り扱いのデリケートさを考慮して、上記の3種類
には含めていません。

しかし、荏胡麻油の非常に高い健康効果を考えると、常備しなくても、
使う機会を作る努力を強くおすすめします。

 

長文になってしまいましたが、最後までお読みいただき
ありがとうございます。

ここまで読まれたあなたは、きっと、いろいろな食用油を
あなたの好みで自由に使いこなすことができるでしょう。

食用油を上手に使って、健康的で豊かな暮らしを楽しんでくださいね。

 

 

【参考資料】

・食用油脂入門:斎藤昭 監修(日本食糧新聞社)

・日本人の食事摂取基準(2020年版):厚労省 【脂質】

・血管がぐんぐん若返る えごま油の健康レシピ (タツミムック)
佐田 政隆著  辰巳出版

・一生若くいられる 油のとり方 最新ガイド (日経BPムック
日経ヘルス別冊)

・サライ「特集:油で長生き」(井上浩義解説)2016年1月号(小学館)

・脂肪酸:農林水産省(消費・安全局食品安全政策課)

・よくわかる油脂のはなし【第1章】(NEXT FOOD LAB)

・JOYL(脂肪酸の種類について):(株)J-オイルミルズ

・脂肪酸の組成(chatGPT):非営利法人OpenAI, Inc.

 

 

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