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接着して固まってしまった木工用ボンドの剝(は)がし方は?注意点も解説

DIYの作業風景

by photo AC

せっかく苦労して作ったイスなのに、接着剤が完全に固まった後で
間違った形や歪みに気が付いた、なんてことありませんか?

そんな時、そのイスを分解して、もう一度組み立て直すことが
できたら、落ち込んだ気分も回復して元気がでますよね。

理屈では、固まった木工用ボンドの部分を剥がして、余分なボンドを
除去してから、もう一度接着し直せば済むことかもしれません。

しかし、完全に固まってしまったボンドを剝がすことは並大抵のこと
ではないと容易に想像できますよね。

わたしはDIY(自分で何かを作ったり、修繕すること)が好きなので
その経験から、完全に接着して固まった木工用ボンドを剥がす方法と
その時の注意点をアドバイスさせていただきますね。

 

使っている木工用ボンドは?

適応できる木工用ボンド

木工用ボンドの種類によって剥がす方法が異なりますから、
まず始めに、使っているボンドを確認してくださいね。

今回の接着剤は一般によく使われている「酢酸ビニル系樹脂」
木工用ボンドです。

木工用ボンドの説明書き

【用途】木・布・紙の接着(耐水性を必要とする用途には不可)

【特徴】水性で使いやすく安全。乾燥すると透明。

 

接着した部材を剥(は)がすには?

接着して固まった工作物を再び作り直そうとするとき、
この部材を剥がす作業がもっとも大切なことになります。

慌てないで、じっくりと進めてくださいね。。

 

①まず最初に、固まった木工用ボンドを柔らかくする

今回使っている木工用ボンドは水溶性なので、いったん固まっても
水分を含ませると柔らかくなる特性があるんですね。

ボンドを柔らかく戻すには、工作物があまり大きくない場合は
バケツなどに浸水することで固まったボンドが柔らかくなります。

もし、工作物がイスやテーブルのような比較的大きなものでしたら
お風呂の浴槽にドボンと浸しておくといいですね。

水に浸す時間はボンドの乾燥の程度によって違いますが
ほとんどの場合、1~2日で剥がすことができますよ。

そのとき、乾燥して透明になっていたボンドが白色に戻ります

 

②工作物の部材をゆっくり剥がす

ボンドが柔らかくなったことは指で触ってみるとブヨブヨして
いるので分かりますよ。

さらに、部材を少し動かしてみて、弱い力でも動かせる
ようならば芯の方まで戻っていますから、ゆっくり部材を
剥がしていきましょう。。

 

部材を剥がすときの注意点は?

分解した後で、再び上手く組み立て直すためには、
この剝がす作業が重要ですから慎重にしてくださいね。

さて、木工用ボンドが柔らかくなったところで、
部材を剥がすときの注意点が3つあります。

 

①部材の接着方法による注意点

ほぞを切った部材

ホゾを切った部材

部材が単純に貼り合わせてある個所は比較的簡単に剥がせますね。

ところが、ホゾなどを切って組み合わせてある個所は剥がし難いので
気を付けてやりましょう。

どうするかというと、部材を傷つけないように、あて木をして、
木づちでたたきながら慎重に剥がしてくださいね。

 

②部材の種類による注意点

ベニヤ板

木工ボンドを柔らかく戻すためには、長時間浸水させるので
材料によっては変形してしまったりします。

単一素材の材料でも反ってしまったりすることがあるので、再び
組み立て直す時には削りなおして調整することも必要になりますよ。

また、薄い板を複数貼り合わせた合板(ベニヤ合板、コンパネなど)
では浸水することで膨張したり、合板自体が剥がれてしまうことが
よくあります。

もし、合板でこのような状況になってしまったときには、
残念ですが最初から作り直したほうが早いですね。

なんとか合板を再利用しようとしても、うまくいかないことが
多いので、無駄な手間がかかるだけですから諦めることを
オススメしますよ。

 

③お湯はできるだけ使わない

木工用ボンドが水に溶けることを利用して剥がすのですが、
水の代わりにお湯を使うことで溶かす時間を短縮できます。

しかし、お湯を使うことで部材の変形などの影響が
出やすくなるので、あまりオススメできませんよ。

 

再び組み立てる前に必ずやってほしいこと

もう一息なので、じっくりと進めていきましょう。

再び組み立てる完成品の仕上がりを左右する大事な作業が
2つあります。

分解した部材を乾燥させる

材料はボンドを剥がすために長時間水に浸したために、水分が
内部まで浸み込んでいます。

再び組み立てる前に十分乾燥させてくださいね。

部材に残ったボンドをきれいにはぎ取る

スクレイパーの写真

皮すき(スクレイパー)

剥がした後で材料に付着しているボンドは皮すきなどで
きれいにはぎ取っておいてください。

場合によってはノミで削ったり、サンドペーパーをかけることが
必要になるかもしれません。

 

木工用ボンドの接着強度を上げるコツは?

木工用ボンドの接着強度を高めるにはコツがあります。

ここで4つのコツをお伝えしますが、プロの職人さんは必ず
やっている方法ですよ。

接着部分を湿らす

接着したい個所に少し水を含ませてからボンドを塗ると
接着面にボンドが浸透するので強度が上がります。

接着する部材同士のすき間を埋める

接着したい個所にすき間ができたときは薄く切った材料で
すき間を埋めます。

また、細い穴のすき間にはボンドを付けたつまようじを差し込んで
埋めると見た目も綺麗に仕上がりますよ。

接着面のボンドは薄く

部材を貼り付けた様子

ボンドを塗ったらしっかり押し付けて余分なボンドをはみ出させて、
接着面をできるだけ薄くするのもコツの一つです。

ボンドはべったりとたくさん塗った方が強く接着される感じが
しますが、実は、ボンド自体の強度はそれほど強くはないんです。

接着したい部材同士がぐらぐら動くようでは、まだボンドの厚さが
多すぎるので、動かないくらいまで押し付けてください。

部材の塗装ははがす

塗装部分を接着する場合は、塗装ごと剥がれてしまうことがあるので
サンドペーパーなどで塗装部分をけずり取ってから接着してくださいね。

 

まとめ

完成したイス

苦心して作り上げた工作物を水に浸けてボンドを溶かし、部材を分解して
また組み立て直すのは、本当に根気がいる作業になります。

ここで、最も重要なポイントは固まってしまった木工用ボンドを水に
漬けて溶かすことです。

焦らないで、じっくり柔らかい状態に戻るのを待ってくださいね。

部材を綺麗に剥がすことができれば、もう完成したようなものですよ。。

なぜかといえば、一度失敗した経験が生きているので、再び作り直す
工作物は自分でも驚くほど立派に仕上がるものなんです。

苦労して出来上がった完成品は輝いて見えますよ!!

ちなみに、固まってしまった木工用ボンドを剥がす必要がある場合は、
実際には、間違って組み立ててしまうことは案外少ないです。

一番多いのは、工作物を固定する方法が悪くて、乾燥している間に
歪んでしまうことなんです。

このことを知っているだけで失敗はほとんど無くなりますから、
ぜひ覚えていてくださいね。。

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