表札をつけないお宅が一戸建ての家で約5割にもなるといわれています。
表札をつけるか、つけないかの選択は自由なんですが、ほとんどの方は郵便や
宅配便を受け取るために当然つけるものだと思っているのではないでしょうか。。
でも、表札をつけなくなった家が増えているのは何か理由があるはずですよね。
なので、今回は、表札をつけない理由をあらゆる側面から調べてみました。
もし、あなたが表札を出したほうがいいのかどうか、迷っているのでしたら参考に
なるはずですよ。
一戸建ての家で表札をつけないのはなぜ?
表札をつけない理由として考えられることは、表札を出すことでなにか不利益な
ことがおこる、あるいはおこる可能性があるからなんでしょう。
『Yahoo!知恵袋』や『教えて!Goo』などの「Q&Aサイト」でも表札に関する
投書は多く、表札を出すか出さないかはたくさんの方の関心事であることが
分かりました。
その他にも不動産情報などを調べて、表札をつけない理由の全てを整理すると
下記の6つにまとめられました。
なお、ここでは、表札を次のようなものとして話をすすめていきますよ。
表札は、居住者の姓や名を記して、門や玄関などに掲げて示す札。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
①居住者の個人情報が公開されてしまうから
②不特定多数の人に名前が知られてしまうから
③表札をつけるお金が節約できるから
④近所付き合いが抑えられるから
⑤「住居表示板」が設置されているから
⑥表札に謎の記号を書かれて不気味だから
それでは、それぞれの理由を具体的に解説していきますね。
なお、後で『表札をつけているのはなぜ?』も紹介していますから、続けて
読んでいただけると表札をつけるかどうかの判断がしやすくなるはずですよ。
①居住者の個人情報が公開されてしまう
表札に家族全員の名前を列記してしまうと家族構成が分かってしまうので、
訪問販売などが多くなることが予想できます。
でも、表札に町名や番地、さらに名前をフルネームで表記する義務はないので、
苗字だけならば、個人情報の公開にあたるのかどうか、ちょっと首をかしげて
しまうんですが。。
また、『Yahoo!知恵袋』の中にこんな投書があったので紹介しますね。
「子供が誰か分からない人にあとをつけられたとき表札を見たら名前がわかって
しまい、今度、子供が外に出たときに『○○さん』と声をかけられかねません。」
という不安から、用心のために表札をつけないと言うんです。
こんな心配は、最近の事件を思い起こすと単純に心配のし過ぎだとは言いきれ
ませんが、このような不安は表札の問題というよりも、社会全体の問題なの
ではないでしょうか。。
②不特定多数の人に名前が知られてしまうから
通りすがりの人に表札を見られて、名前を知られるのはなんとなく気味悪い感じ
がするんですが、あなたが通りすがりの人だったらどうでしょう。
きっと、その家を通り過ぎてしまえば、すぐに忘れてしまいませんか。。
③表札をつけるお金が節約できるから
これから住もうとする一戸建ての家がたとえ中古であったとしても、家を購入
する金額に比べたら表札の値段はけた外れに安いですよね。
きっと、こういう方はこだわりのある高額な表札を出したいと考えているのでは
ないでしょうか。。
表札をつけない理由とはちょっと意味がズレているように感じるんですが。。
④近所付き合いが抑えられるから
町内会などの地域コミュニティは表札のある無しには関係なく必要なことなん
ですね。
でも、表札を出したからといって、コミュニティ以外のプライベートのお付き合い
が増えるとは考えにくいです。
たとえ、プライベートで一度は訪ねてくることはあっても、気が合わなければ
それきりですよね。
表札とお付き合いをするわけではないんですから。。
⑤「住居表示板」が設置されているから
よく整備された地区に行くと各戸の番地や苗字が表示されている「住居表示板」を
見かけることがあります。
郵便や宅配便の方にはとても都合がいいですし、友人や知人が訪ねて来るときにも
近所をウロウロすることなく目指す家にたどり着くことができますよね。
なので、そのような親切な住宅地域に暮らしているのなら、表札を出さないので
はなく、表札をつけて親切さを徹底したら素晴らしいですね。
⑥表札に謎の記号を書かれて不気味だから
表札に妙な記号が記されていることがあるんですが、いったい何を意味した記号
なのかは謎です。
その記号は「17/11ム」や「C-5ヵ」などで、子供たちのいたずらにしては技巧的
なので、何かの営業活動の目印であることは容易に想像できますよね。
では、表札を出さなければなくなるかといえば、今度はガスメーターに記入されて
しまったという報告があります。
ただ、表札が記入しやすいというだけのようです。
なので、表札をつけるつけないとは別の問題だという気がします。
とりあえず、そんな記号が書かれていたらすぐに消してくださいね。
そのまま放置しておくと、防犯意識に欠けている家だとみられて空き巣被害などの
不測の事態を招いてしまうことも考えられますよ。
マンションでも表札をつけない家が増えている
マンションやアパートなどの集合住宅では7割くらいのお宅が表札をつけていない
といわれています。
集合住宅で表札を出していない人は一戸建ての家の場合とだいたい同じ理由を
あげているんですが、次のようなマンション特有の理由もありました。
・マンションに住んでいるほとんどの人が出していないので目立ってしまうから
・各戸に固有の番号が付けられているので名前はつけていない
・マンションの集合ポストがあるので玄関には表札を出していない
・賃貸でいつまた引越すか分からないので、面倒で出していない
集合住宅には集合ポストがあるのが普通ですし、各戸に固有の番号が表示されて
いるので戸建ての家と比べて表札への関心が薄いようです。
また、「・・・面倒で出していない」で済ましてしまえるのは集合住宅ならでは
なのかもしれないですね。
表札をつけているのはなぜ?
ここまで、表札をつけない理由についてお話してきましたが、ここでは表札を
出しているお宅の理由の紹介になります。
『Q&Aサイト』の投書や不動産関連のサイトなどから、表札をつけることに
肯定的な理由のすべてを整理すると8つになりました。
①郵便物や宅配便が間違えないように、とりあえず苗字だけ出している
②近くに同じ苗字のお宅が3軒あるので、配達などの人が困らないように出している
③表札を見ると、家に帰って来たときにホッとする
④表札を出すのは常識なので、フルネームは出さないで苗字だけ出している
⑤友人や知人が訪ねて来る際の目印になる
⑥マンションで義務づけられているから出している
⑦表札のデザインを考えるのが楽しく、他者との差別化をはかることができる
⑧災害時の援護を受けやすくなる
ここで、表札をつける考え方に賛同できれば、今までつけていなかったお宅の
方もつけるのではないでしょうか。。
逆に、表札をつける考え方に魅力を感じなければ、今までつけていた表札を
取ってしまうかもしれませんね。
それでは、それぞれについて解説していきますね。
①郵便物や宅配便が間違えないように、とりあえず苗字だけ出している
苗字だけの表札でも玄関に出してあれば、郵便物などの誤配はほとんどなくなり
ます。
もし、他の家のポストに配達されてしまうと、差出人の住所・氏名も知られて
しまうし、そのまま破棄されてしまう可能性だってあるんです。
最悪の場合には、開封して中身を見られて名前や住所の個人情報ばかりか、
職業や趣味まで漏れてしまう結果になることも否定できないんですね。
つまり、個人情報を守るために表札を出していないことが、とんでもない
情報公開に繋がってしまう可能性があるんです。
たかが表札、されど表札、あなどれませんね!
②近くに同じ苗字のお宅が3軒あるので、配達などの人が困らないように出している。
配達する人に親切であるばかりか、郵便物の誤配が防げるので、近所どうしの
個人情報を守ることにも繋がりますね。
③表札を見ると、家に帰って来たときにホッとする
表札は家の顔といわれるくらいですから、表札を見ると自分の家だという実感が
湧いてきます。
表札をつけることで、今暮らしている家に愛着が持てるようになるなら表札を
つけないのはもったいないですね。
④表札を出すのは常識なので、フルネームは出さないで苗字だけ出している
表札を出すのは常識だとわたしも思っています。
わたしたち庶民が苗字を名乗ってもよいと許されたのは明治3年のことでした。
きっと、当時の人々は喜んで表札をつけたのではないでしょうか。。
⑤友人や知人が訪ねて来る際の目印になる
初めて友人や知人が訪ねて来るときの表札の役割は大きいですね。
⑥マンションで義務づけられているから出している
実は、マンションの資産的な価値には、そのマンションのコミュニティが良好な
状態にあるかどうかが含まれているんですね。
実際に、すべてのお宅に表札がつけられているマンションでは、コミュニケー
ションがスムーズで良い雰囲気が保たれているようですよ。
なので、全戸に表札を出すことを義務化している管理会社が多くなってきて
いるのかもしれません。
⑦表札のデザインを考えるのが楽しく、他者との差別化をはかることができる
この家に暮らしている人の個性を表札で表現しようとしているのは、とても
楽しいことですよね。
この家をとても大切にしていることが感じられて、嬉しくなるのはわたしだけで
しょうか。。
なんだか、空き巣狙いも撃退する効果もある気がします。
⑧災害時の援護が受けやすくなる
自然災害や火災などのときにその家に暮らしている家族の安全を守るために、
表札の有無が影響するようです。
災害時に、隣の家の人や消防や管理会社などが安否を確認するときに、ただ声を
かけるより名前を呼ぶ方が反応がよいというのです。
また、コミュニティが良好な地域では、その家の家族構成やペットの有無などを
近隣の方々が分かるので災害のときの被害が軽減できるようです。
表札の由来
表札には苗字を表記するのが普通なので、表札と苗字との関連を抜きにしては
語れません。
なので、分かりやすいように表札と苗字の歴史をそれぞれ紹介していきますね。
表札の歴史
日本の郵便制度では郵便物は単に「住所」にではなく宛名の「個人」に対して
配達する義務を負うものとして整備されました。
なので、郵便配達の便宜のために表札が出されるようになったんですね。
日本の郵便制度は明治の中頃からはじまったんですが、表札が本格的に普及しだ
したのは大正12年の関東大震災のあとだったようです。
ということは、現在の表札が出されはじめたのはそんなに古いことではないんで
すね。
参考資料:表札 Wikipedia
苗字の歴史
江戸時代には、武家屋敷には姓(苗字と違って天皇から受けたもの)のみの表札が
掲げられていましたが、商家には看板やのれんで屋号が掲げられていました。
ですから、苗字を持たない庶民には表札はほとんど必要のないものだったんです。
しかし、鎌倉時代、室町時代のころから公の場で名乗れない苗字が庶民の間でも
あったようですが、その使われ方が上層の百姓の特権として認識されていたのは
面白いですね。
江戸時代では、士農工商の身分制度が固定化されて武士以外の苗字と帯刀が
禁じられていました。
やがて、明治時代に入ると大蔵省が主導した2つの政令によって公式に庶民が
苗字を持つようになりました。
つまり、徴税、徴兵のために義務として苗字を名乗るようになったというわけ
なんですね。
2つの政令とは
・明治3年の『平民苗字許可令』
・明治8年の『平民苗字必称義務令』
参考資料:名字 Wikipedia 、士農工商 Wikipedia
外国でも表札をつけている!?
日本以外で表札をつける習慣のある国は韓国とタイだけです。
韓国の表札はフルネームで、タイでは職業まで表記されるのが一般的なんだそうです。
韓国では日本のように表札を出すのが普通なんですが、韓国の苗字は約200~
300種(金、朴など)しかないので、フルネームなどを書き込むことでカバーして
いるんですね。
ちなみに、日本の苗字の種類は読み方の違いなどがありますが、約20万種といわ
れています。
とにかく、名前の書かれた表札をつける習慣のある国は世界中で日本を含めた
この3国だけなんですね。
たとえば、欧米では表札をつけないのが普通なんですが、つけないのには2つの
理由があります。
1、この家に誰が住んでいるのかを開示するのは個人主義に反するから。
2、住みやすい家を求めて頻繁に引っ越すことが多いから。
それでも、郵便物などが間違いなく届くのは、各戸には『ハウスナンバー』と
呼ばれるプレートが付いていて、「○○ストリート」の○○番地〇番などと表示
されているため間違えようがないんですね。
また、中国では表札を出す習慣はないんですが、苗字の種類が約4000種くらい
しかないので、同じ苗字ばかりの表札を出すと返って混乱するする可能性が高く
なってしまいますね。
なお、そのほかの国の状況はというと、治安が悪いために名前を掲示しない国が
多いようですが、反対に事業などで成功した場合などにステータスとして掲げら
れることもあるようです。
まとめ
表札をつけないお宅が増えていて、一戸建てでも約5割の家がつけていないと
いう報告があります。
表札は家の顔とも言われているのに、こうした状況がなぜ起きているのか、その
理由はこの通りでした。
①居住者の個人情報が公開されてしまうから
②不特定多数の人に名前が知られてしまうから
③表札をつけるお金が節約できるから
④近所付き合いが抑えられるから
⑤「住居表示板」が設置されているから
⑥表札に謎の記号を書かれて不気味だから
また、一方では、しっかり表札をつけている家もあって、その理由はこの通り
でした。
①郵便物や宅配便が間違えないように、とりあえず苗字だけ出している
②近くに同じ苗字のお宅が3軒あるので、配達などの人が困らないように出し
ている。
③表札を見ると、家に帰って来たときにホッとする
④表札を出すのは常識なので、フルネームは出さないで苗字だけ出している
⑤友人や知人が訪ねて来る際の目印になる
⑥マンションで義務づけられているから出している
⑦表札のデザインを考えるのが楽しく、他者との差別化をはかることができる
⑧災害時の援護を受けやすくなる
ちなみに、わたしは集合住宅に住んでいるんですが、集合ポストにも玄関にも
苗字のみ掲示しています。
もし、あなたがつけようかどうしようか決めかねているのでしたら、ぜひ参考に
してくださいね。